まだ実証されていませんが、長時間のデスクワークなどでモモや肩、首の筋肉などがカチカチに凝っているような場合、朝起きた時に舌の上に酸味を感じることがあるかもしれません。意外に思える症状ですが、これは脳神経の一つである顔面神経が関与しているためと考えられます。共に感覚神経と運動神経の両方を併せ持つ混合神経ですが、顔面神経には味覚を伝達する機能があります。
筋肉のコリは隣り合わせの神経機能に影響を与えることが多くあります。筋肉のコリによって神経が圧迫されると、本来の感覚が正しく伝達されない障害が起こり得ます。
例えば脚や腰、肩のコリによって首の筋肉が引っ張られますと、首が緊張して張りが生じ、そうした神経を圧迫します。すると、圧迫された顔面神経は、あたかも舌が酸味を感じたかのように脳に信号を送ります。これがこの現象の仮説になります。しかしながら、実体験として凝っている筋肉をほぐしたら酸っぱさを感じることがなくなったという現象は確認されています。
逆に言えば、朝起きて何も食べていないのに舌に酸味を感じることがあれば、それはどこかの筋肉にコリがあるサインであると言えるかもしれません。